納税者の権利を尊重した税務行政に向けて
昨年12月21日(火)、東海地方協議会(東海地協)では、名古屋国税局と仕事と暮らしの実態に配慮した民主的な税務行政及び税制の確立に向けて交渉を行いました。
例年、交渉は10人で行っていましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、前年と同様、今回は全建愛知からは宮上税金対策部長、杣川東海地協議長(三重建労)、前川税金対策部長(三重建労)、猿木書記長(三重建労)、西税金対策部長(全建総連)の計5人での交渉となりました。
名古屋国税局からは、北村総務課長補佐、太田総務第三係長の2人の対応となりました。
2019年10月1日より消費税の本則税率が10%に引き上げられました。さらに新型コロナウイルス感染症の拡大の影響もあり、日本経済は大きく低迷しています。私たち小零細の建設事業者にとっても仕事環境は非常に厳しい状況にあり、日々の暮らしや生活の中で、税の負担は非常に厳しいものとなっています。また納税や申請等の電子化が推進される中で活用できず取り残され、建設技術や技能は持っているのにICT対応に苦しむ事業者が数多く見受けられます。皆、納税者として高い意識は持っていますが、記帳の義務化は小零細事業者にとって大きな負担となっています。建設業は、すそ野の広い地域経済波及効果を持った産業です。そして、建設工事を支えるのは小零細な事業者や現場で働く労働者・職人です。仕事と暮らしの実態に配慮した税務行政の推進に向けて、左記に掲げる項目を実現頂くよう要請いたしました。
①行政指導文書(いわゆる「お尋ね文書」)による書類等の提出を強要するような文言について
②質問検査権に基づいて調査を行う場合の留意点について
③申告書の「プレプリント」送付について
④個人番号を記載すべき書類において、また、その記載や添付書類の取り扱いについて
⑤所得税における事業所得、消費税における簡易課税の事業区分について
⑥所得300万円以下の零細事業者に対する記帳等の義務化について
⑦新型コロナウイルスの影響により納税の猶予や換価の猶予等について
⑧納税や法定調書等の申請・提出などに対する電子化の推進にあたっては、確定申告を書面で行うなどICTを利用しない者について
⑨納税者の権利を尊重した民主的な税務行政の執行に向け、納税者権利憲章を早期に制定について
今後も組合では、東海地協と共に名古屋国税局との交渉、また各税務署との意見交換を行うなど納税者の権利を尊重した税務行政づくりに向け運動を続けていきます。
【宮上税金対策部長 記】