東海地協・賃金対策部
全建総連・東海地方協議会は、8月27日(火)に中部地方整備局交渉を行いました。
参加者11名の内、全建愛知からは横山執行委員長、戸田賃金対策部長、田中書記が出席しました。
最初に嶋田東海地方協議会議長が「仕事不足による建設職人の離職や廃業が深刻な問題となっています。アベノミクスや設計労務単価の上昇の影響が一次下請けだけでなく最終下請けの労働者にまで広がるように指導をお願いします。現場で働く仲間の声を代表して要請します」と交渉の趣旨を述べた後、要請書を手渡しました。
要請後、意見交換・質疑応答が行われ、交渉は終了しました。
組合では、今後も粘り強い交渉を継続していきます。
要請書
1. 国交省は、業界関係者に対して設計労務単価は建設労働者の賃金であり、賃金水準を引上げるように指導しています。中部地方整備局においても、技能労働者への適切な賃金水準の確保を徹底し、賃金を引き上げるよう指導して下さい。
平成25年度公共工事設計労務単価が全国平均で、15.1%の上昇となりました。この間、技能労働者の減少にともなう労働市場の実勢価格を適切に反映させ、適切な賃金水準の確保について建設業団体、公共発注者、民間発注者に対して文章での要請、国土交通大臣より建設業四団体への要請などの取り組み状況の実態把握のため「新労務単価フォローアップ相談ダイヤル」が開設されました。さらに現場技能労働者のきめ細かな実態調査等の継続的な実施も進められていると聞きます。
イ. 今後の周知の取り組みと、現時点での相談内容等、貴局管内での事例があればお聞かせ下さい。
ロ. 新労務単価の早期適用と新単価の運用に係る特例措置(契約変更対応)を、全ての都道府県が講じているとの発表ですが、市町村単位の状況についても把握し、指導を強めて下さい。
2. 社会保険の未加入対策について、以下イ. ~ハ. の項目に留意して下さい。
イ. 標準見積書等の活用による法定福利費の確保について、下請企業から元請企業への標準見積書の提出においては、平成25年9月頃を目途に一斉開始の計画で周知・啓発を図るとのことですが、現状はトン単価や平米単価見積りが一般的で企業が内訳明示することに対して戸惑いを隠していません。どのような支援体制を検討されていますか。
ロ. 建設業許可において社会保険未加入であることをもって不許可とすることなく、県に対するアドバイスを強め、行政書士会・社会保険労務士会などの関連団体に対しては正確な情報提供に努めて下さい。
ハ. 「みんなで進める一人親方の保険加入」のリーフレットを作成されましたが、紙媒体での配布などでさらに周知徹底を図って下さい。
3. 賃金・下請工事代金の不払いに対して、建設業法に基づく指導を徹底し、併せて昨年度の不払い相談件数と解決件数、不払い発生の特徴について内容を示して下さい。
4. 公契約法の制定を進めるよう本省へ伝え、取り組んで下さい。
5. 地元の要望に基づいたインフラ整備と耐震改修など防災型事業を推進し、地元建設事業者の施工能力の維持向上と受注機会の拡大に向けて有効な施策を講じて下さい。併せて、国民が安全に暮らせるような既知の危険箇所については、直ちに対策を具体化して下さい。
6. 建設業退職金制度の普及の徹底と同時に、貼付実績の報告を求めて下さい。