ウレタン樹脂防水施工の硬化剤「MOCA」による健康障害の防止対策について【16.11.28】

 厚生労働省は、ウレタン樹脂防水施工の硬化剤として使われる化学物質の「MOCA」を取り扱う化学工場の労働者5人が、膀胱がんを発症したことを受け、関係団体に対し、健康被害防止対策の徹底を平成28年10月7日付で要請しました。

 MOCAは特定化学物質障害予防規則(特化則)での規制対象物質となっていることから、MOCA含有のウレタン樹脂防水材を使って防水工事を施工する事業者を対象に、特化則に基づく、ばく露防止対策が徹底されているかの確認を求めました。また、常時性のあるウレタン防水施工の労働者などを対象に、膀胱がん検査の実施なども要請しました。

 MOCAは揮発性が小さく、ウレタン樹脂防水施工の際、従事者が硬化剤からMOCAそのもののガスや蒸気を吸引する恐れは少ないと言われている一方で、経皮吸収による健康障害の恐れがあり、化学防護手袋等の着用が必要になります。

 MOCAを原料として取り扱うウレタン樹脂防水の施工に従事されている方は、ばく露予防対策を徹底していただくとともに、膀胱がん検診をしていただき、異常な所見が見つかった場合は、労働保険課まで連絡いただきますようお願いいたします。

問合先:労働保険課/中川・長谷川

MOCAに係る膀胱がんに関する検査項目

1、対象者に共通に実施する項目
 (1)業務の経歴の調査
 ・血尿、頻尿、排尿痛等の他覚症状又は自覚症状の既往歴の有無の検査
 ・血尿、頻尿、排尿痛等の他覚症状又は自覚症状の有無の検査
 ・尿沈渣検鏡(医師が必要と認める場合は、尿沈渣のパパニコラ法による細胞診)の検査

2、上記1の検査の結果、医師が必要と認めた場合に実施する項目
 (2)作業条件の調査
 ・医師が必要と認める場合は、膀胱鏡検査又は腎盂撮影検査

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