職場の安全 地道な努力で労働災害防止【15.05.28】

 労働災害は長期的には減少してきましたが、最近再び増加の一途をたどり、たいへん憂慮すべき事態となっています。

 数十年前と比べて、機械の安全化や作業マニュアルの整備、従業員に対する安全教育などハード、ソフト両面で労働災害防止対策は充実してきています。それでも、現実として労働災害は増えています。

非定常作業に要注意

 労働災害の多くは「非定常作業」で起きています。これはトラブル対応など、普段とは違う作業のことを言います。

 身近なことでは、電動丸ノコでの作業を例にしますと、電動丸ノコはモーターで円形のノコ刃を高速回転させて木材等を切断します。作業中に何らかの原因で、刃の回転が止まってしまうようなトラブルが発生することがあります。こうしたトラブルを処理することが非定常作業です。

 その際、とっさに回転部に手を入れてしまうかもしれません。万が一、刃が回転していたらどうなるでしょうか。高速回転中の刃に触れれば、指を切断する恐れがあります。仮に刃が回転していなかったとしても、突然動き出すかもしれません。そのため、まず電動丸ノコの電源を落として(コンセントからコードを抜いて)、刃が動かない状態にし、そして回転部に直接手を入れるのではなく、道具などを使用すればさらに安全です。

全員参加で「KY活動を」

 安全に作業を行うには、危険に対する作業者の認識・感受性が大きく影響します。皆さんも、安全教育にとどめず、この認識・感受性を高めるようにしてください。

 組合では、昔ながらの「KY(危険予知)」もお勧めします。KY活動は、作業にどんな危険があり、どうすれば安全にできるかを事前に話し合う全員参加型の活動です。各自が作業に潜む危険の認識を共有できることから、災害防止上のメリットは非常に大きいものです。「災害防止に特効薬はありません」。安全対策には王道は存在しません。

 組合員の皆さんの現場でも全員で「KY(危険予知)」を徹底し、労働災害をなくしましょう。

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