中部地方整備局と交渉【14.10.07】

賃金確保と労働条件の改善を要請します

 要請書を渡す杣川議長(左)
 9月10日(水)、東海四県で構成される全建総連東海地協は、国土交通省中部地方整備局交渉を行いました。

 全建総連より松岡賃金対策部長を招き、全建愛知からは横山執行委員長、戸田賃金対策部長、田中書記が出席。

 他県組合役員を含む11名で交渉に臨みました。

 最初に杣川東海地方協議会議長より「長引く建設不況のもとで厳しい状況が続いています。公共工事設計労務単価が2年をかけて約23%引き上げとなりましたが、我々末端で働く組合員はまだまだ厳しい労働条件、賃金で働いています。賃金確保と労働条件の改善を要請します」と交渉の趣旨を述べた後、6項目の要請書を手渡しました。

 今後も仲間の実態を突きつけながら交渉し、状況改善のために団結して頑張ってまいります。

要請内容

一 1.国土交通省は、建設業団体、公共・民間各発注者に対して、技能労働者への適切な賃金水準を確保するよう指導しています。今回の公共工事設計労務単価の引き上げも、政策的に技能労働者の賃上げを求めることと理解できますが、その実効性が問われています。貴局においても、技能労働者への適切な賃金水準の確保について業者等への指導を徹底して下さい。

  2.中部地方整備局の発注工事において、建設現場に従事する建設労働者の適正な賃金・労働条件を確保し、安全かつ優良な公共事業を推進するため、公共工事設計労務単価の日額水準を下回らないように、受注業者に対しての指導を徹底して下さい。また発注者の責任において、労務単価、下請代金、安全対策等が適切か否かを立ち入り調査し、実際に労働者が受け取る賃金が設計労務単価と隔たりがあった場合には、速やかに解消に努めて下さい。

 3.賃金下落、労働条件悪化や将来的な不安などにより、建設産業を離れる人が増加、建設労働者は減少の一途をたどり、後継者不足が深刻化しています。建設労働者の後継者対策についての貴局の見解と、現状どのような対策を講じておられるのか教え下さい。

 4.全国的に公契約条例の制定が相次いでおり、建設労働者の賃金確保に一定の効果を上げています。貴局としても、国がILO94号条約を批准し、公契約法を制定するよう本省に働きかけて下さい。

二 昨年9月から一斉活用がされている「標準見積書」の活用状況、及び元請の対応の実態と徹底するための貴局の指導についてお教え下さい。
  社会保険の加入促進のためには法定福利費の確保が前提条件となります。別枠明示・別枠支給の指導を徹底して下さい。
  健保適用除外承認を受け適法に建設国保に加入し、厚生年金に加入している事業所の扱いについては、国土交通省より平成24年7月30日付で、「建設業に係る協会けんぽへの加入と国民健康保険組合への加入について」が通知されているところですが、施工体制台帳の作成や現場入場にあたって、「事業所として協会けんぽへの加入を求められた」「労働者に協会けんぽと建設国保(適用除外)が混在する事業所で、協会けんぽの保険証が提示できない労働者の入場を断られた」などの事例が発生しています。これらは上位企業の理解不足が主要な原因であり、一層の啓発と周知の徹底をお願いします。

三 建設業法にもとづく元請責任を果たさず、立替払いを拒否している特定建設業者が存在しています。立替払いをしなければそれで済んでしまうということにもなりかねず、法令を遵守し立替払いをしている企業との間で大きく均衡を欠きます。賃金・下請工事代金の不払い解決に向け、貴局として次の対策を強化して下さい。

 1.建設業法第41条2項および3項にもとづく特定建設業者である元請への「立替払い」の勧告を出してください。
 2.倒産や不払い問題に迅速に対応するため、建設業法を遵守するよう企業に働きかけ、中部地方整備局としての役割(相談・指導体制)を強化して下さい。
 3.不払い相談があった場合、どのような対応をとられていますか。また昨年度(25年4月から26年3月)の不払い相談件数と解決件数を教えてください。また特徴点があればお示し下さい。

四 今年4月には消費税率が引き上げられましたが、個人事業者を含む小零細事業者は取引上の力関係で弱い立場にあり、転嫁拒否や値引きの強要等の問題が懸念されるところです。消費税の適正かつ円滑な転嫁を確保するという観点から、業者等への指導を徹底して下さい。

五 地元の要望に基づいたインフラ整備と、耐震改修など防災型事業を推進し、地元建設事業者の施工能力の維持向上と受注機会の拡大に向けて有効な施策を講じて下さい。併せて、国民が安全に暮らせるよう、既知の危険個所については直ちに対策を具体化して下さい。

六 建設業退職金共済制度(建退共)の普及の徹底と同時に、貼付実績の報告を求めて下さい。

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