新年号特集 第1弾 建築業界期待の星

一人前の建築大工を目指す

 「技術・知識を身につけたい」「基礎から勉強したい」と、語るのは田口撤平さん(27歳・神建設株式会社従業員)と、伊藤公人さん(24歳・いとう建築従業員)です。今回、住宅対策部・技術対策部主催の担い手講習会を受講した若手建築大工の2人が、懸命に技術・知識を習得する様子を密着取材しました。【取材日は11月28日・30日】

建設業への魅力を感じて
田口撤平さん
 「4年間、銀行の営業マンとして融資の関係で中小企業を回っていました。その時、日本経済を支えているのは中小企業だと実感しました。それを機に父の手助けをしたいと気持ちの変化があり、職人の道を志しました。」

伊藤公人さん
 「教壇に立つのが夢でしたが、祖父・父が築いた工務店を絶やしてはいけない。そして衣食住は、必ず需要がありますから、私は3代目として建築業界に進みました。」
  
 異色の2人が担い手講習会で顔を合わせました。若さと大工経験が1年半の新米というのが共通点で、まだまだ知識・技術の習得が課せられる2人です。

実践的な講習が始まる
 6日間36時間の座学講習後、実技講習では実践的な作業に移り、全建愛知会館の腰板の張替え作業を行い、その後、全建総連青年技能競技大会の課題作品「四方転び踏み台」(縦・横・斜めに複雑に組み合う接合部分を作り上げていく洗練された技術が必要)の作成をしました。
 まず、原寸図にて図面の作成から始まり、部材の木削り↓墨付け↓加工仕上げ↓組み立てを2日間に渡り行いました。受講者の2人は、悪戦苦闘しながら、必死に講師からの指導を熱心に聞き入り作業していました。
 予定時間を延長しましたが、初めて「四方転び踏み台」を作り上げました。美しさはともあれ、完成したときの満足感はひとしおの様子でした。

講習会を終えて一言・・・
 田口さんは、「座学・実技講習では、先生方に大変お世話になりました。たいへん勉強になりました。先生方に教わったことを現場で活かしていきます。また、1日も早く親方から現場を任せられるように、日々技術向上に励んでいきます」と、話していました。
 伊藤さんは、「あっと言う間の講習会でした。ここで学んだことは、私の貴重な財産です。目標とする父のように手際よく丁寧な仕事ができ、仲間から信頼される立派な大工になれるよう、これからも精進していきます」と、語っていました。
 12日間の講習会を終え、充実感に溢れていました。これからの2人の成長が期待されます。

※この担い手講習会は、国土交通省補助事業「木造住宅・都市木造建築物における生産体制整備事業」を活用して実施しています。木造住宅の担い手である大工技能者の減少・高齢化が進む中、木造住宅の生産体制整備を図るため、団体等が行う大工技能者等の確保・育成の取り組みを支援しています。

真剣な目つきです

田口撤平さん
歯を食いしばって作業しています
伊藤公人さん

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