十分な知識を持とう
毎年、梅雨明けの時期になると日差しが急に強くなり、急激な環境温度の変化に対応しきれずに熱中症が発生しています。
愛知県内では就業中の熱中症により、過去十年間で20人、令和2年には4人が死亡しています。毎年、全建愛知でも熱中症になる方が少なくなく、建設職人にとって夏場は特に気を付けたい病気です。
熱中症を防ぐためには、本人だけでなく周りの家族も熱中症に対する十分な認識を持つことが重要です。
これから気温と湿度が急速に上がり、熱中症リスクが高くなっていきます。十分な備えをして熱中症に気を付けましょう。
熱中症とは?
高温多湿な環境下において、体内の水分および塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして発生する健康障害の総称です。めまい、筋肉の硬直、頭痛や吐き気などの症状が現れるほか、重度になると意識障害や痙攣、最悪な場合は命を落とす可能性もあります。
予防法は?
新型コロナウイルスの出現に伴い、感染防止の基本である身体的距離の確保、マスクの着用、手洗い「三密(密集、密接、密閉)」を避ける等の「新しい生活様式」が求められています。このような、「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントは次の通りです。
①暑さを避けましょう
・エアコンを利用する等、部屋の温度を調整
・感染症予防のため、換気扇の使用や窓解放によって換気を確保しつつ、エアコンの温度設定をこまめに調整
・暑い日や時間帯は無理をしない
・涼しい服装にする
・急に熱くなった日等は特に注意する
②適宜にマスクを外しましょう
・気温や湿度の高い中でのマスク着用は要注意
・屋外で人と十分な距離(2m以上)を確保できる場合には、マスクを外す
・マスクを着用している時は、負荷のかかる作業や運動を避け、周囲の人との距離を十分にとった上で、適宜マスクを外して休憩を
③こまめに水分補給しましょう
・のどが渇く前に水分補給
・1日当たり1.2ℓを目安に
・大量に汗をかいた時は塩分も忘れずに
④日頃から健康管理をしましょう
・日頃から体温測定と健康チェック
・体調が悪いと感じた時は、無理せず自宅で静養
⑤暑さに備えた体作りをしましょう
・暑くなり始めの時期から適度に運動を
・水分補給は忘れずに、無理のない範囲で
・「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度で毎日30分程度
現場作業中の熱中症は労災保険の可能性も…
熱中症はケガでなく内部からの不調になる病気のため、健康保険証を使用して治療を受ける方が多くいらっしゃいます。
一概には言い切れませんが、現場作業が原因で熱中症になったケースであれば労災保険で対応する必要がありますので、熱中症になったときは、「①に病院受診、②に組合へ連絡」していただくようお願いします。