十分な備えをして
毎年、梅雨明けの時期になると、日差しが急に強くなり、この時期には急激な環境温度の変化に対応しきれずに、熱中症が発生しています。
愛知県内では就業中の熱中症により、過去10年間で16人、昨年は3人が死亡しています。
毎年、全建愛知でも熱中症になる方は少なくなく、建設職人にとって夏場は特に気を付けたい病気です。
熱中症を防ぐためには、本人だけでなく周りの家族も熱中症に対する十分な認識を持つことが重要です。
これから気温と湿度が急速に上がり、熱中症リスクが高くなっていきます。
十分な備えをして熱中症に気を付けましょう。
熱中症って?
熱中症とは、高温多湿な環境下において、体内の水分および塩分のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして発症する健康障害の総称です。
めまい、筋肉の硬直、頭痛や吐き気などの症状が現れるほか、重度になると意識障害や痙攣、最悪の場合は命を落とす可能性もあります。
予防方法は?
・暑くなり始めに、無理な 作業は行わない。
→熱中症は夏の真っ盛りよりも、まだ暑さに体が慣れていない梅雨明け頃に多いと言われています。先ず、体が暑さに慣れるまでは体に過度の負担をかけないように心掛けましょう。
・簡易屋根などで直射日光や照り返しを避ける。
→直射日光はもちろん、照り返しのある場所も日陰と比べれば格段に気温が高くなります。現場作 業とはいえ、少しでも体に熱を持たせない工夫をしましょう。
・スポットクーラーや大型扇風機で体に熱がこもらないようにする。
→室内作業であっても、クーラーの無い部屋での作業は危険です。スポットクーラーや大型扇風機 などを活用して熱気がこもらないようにしましょう。
・こまめな水分補給と塩分補給をバランスよく行う。
→熱中症は、自覚症状が出てからの対応では間に合わないケースが有ります。自覚症状の有無にか かわらず、少し大げさと思えるくらいに水分と塩分はこまめに補給しましょう。
・体調不良、睡眠不足での現場作業を避ける。
→体調不良、睡眠不足以外にも、前日の飲酒も熱中症の発症に影響を与えます。現場作業そのもの だけでなく、日頃の生活にも気を付けましょう。
・持病のある方は、かかりつけ医に相談を。
→糖尿病などの疾患がある場合、同じ環境で働く人よりも熱中症になる可能性が高いと言われてい ます。かかりつけ医などに相談し、日頃から注意してください。
十分な予防をしていても、熱中症になってしまうことも当然ありえます。その場合、「少し休めば」「スポーツドリンクを飲んで、もう一仕事」など軽く考えず、躊躇せずに、早めに病院で受診してください。
現場作業中の熱中症は労災保険の可能性も…
熱中症はケガでなく内部から不調になる病気のため、健康保険証を使用して治療を受ける方が多くいらっしゃいます。
一概には言い切れませんが、現場作業が原因で熱中症になったケースであれば労災保険で対応する必要がありますので、熱中症になったときは、「1.に病院受診、2.に組合へ連絡」していただくよう、お願いします。