若き建築設計士 誕生【11.03.24】

わが家のリフォームコンクール

藤吉 聡
 「念願の上位入賞(愛知県住宅供給公社理事長賞)を果たし、とても嬉しく思っています」と、満面の笑顔で話すのは藤吉聡さん(建築設計士・29歳・旭瀬戸支部)です。

息を吹き返した築40年の建売住宅

改装前
 昨年は、惜しくも上位に食い込めず入賞に終わり、今年こそ上位入賞を目指し望んだ2回目の挑戦となる、わが家のリフォームコンクールでした。

 結果として、築100年程の古民家をリフォームし応募する方が多い中、藤吉さんは一般的に需要の多い築30~40年の建売住宅のリフォームに目を付けたことが、審査員から高い評価を得ました。

 2年前、名古屋市内で30坪程の物件を見付けた、藤吉さんは、自ら築40年の中古建売住宅を購入し、リフォームに取り掛かりました。

 築40年の古家となると、なかなか住み続けるのは難しいものです。建売住宅の多くは、細かく仕切られた間取りがほとんどで、水廻りは狭く、天井やドアの高さが低いなど、また耐震性・断熱性も今の新築と比べると不十分です。その結果、建て替える結論になりがちです。

 しかし、この建物は、まだまだ骨組みはしっかりしているので、耐震補強をすれば住み続けるのは充分可能と判断しました。

 また、以前の持ち主から「思い出深い家だから出来る限り、原形を残して欲しい」と言われていました。

 藤吉さんの限られた予算も大きな理由の1つですが、「今の時代、全て新しい物に建て替えるのではなく、私たち職人の先輩方が手掛けた建物をもう一度、再生することも重要ではないか」と考えました。

 リフォーム箇所では、例えば薄暗い北側のDKの天井を傾斜にし、トップライトを新設しました。

 結果、明るい日差しが降り注ぐDKになりました。

改装後
 この業界に入ったきっかけは、海外の有名な建造物を見て、建物の素晴しさを感じました。

 その感動を期に、22歳で再び大学に入学し、1から建築技術を学び、卒業後は、他の設計事務所にて1年間修業をし、今では父が営む設計事務所の社員として、日々励んでいます。

 いつか目標とする父に追いつき追い越し、立派な建築設計士を目指しています。

 少し遅咲きかもしれませんが、一生涯の仕事に出会えたことに心から感謝しています。

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